2025年6月24日から、iPhoneにマイナンバーカードを登録できるようになりました。Androidでは先行導入されていましたが、iPhoneにも対応しました。これにより、スマホひとつでマイナンバーカードを持ち歩けるようになります。。
本記事では、登録方法、使い方、注意点などiPhoneのマイナンバーカードについてわかりやすく解説します。
本記事の内容は動画でも解説しています↓
▶️ 動画の目次(クリックで開く)
時間 | 内容 |
---|---|
0:00 | オープニング |
0:12 | iPhoneのマイナンバーカードとは? |
1:12 | マイナンバーカードをiPhoneに追加する方法【実演】 |
5:32 | マイナンバーカードの呼び出し方(顔認証)【実演】 |
7:05 | マイナンバーカードの呼び出し方(指紋認証)【実演】 |
7:49 | コンビニで証明書取得【実演】 |
8:22 | マイナポータルへログイン【実演】 |
9:33 | iPhoneのマイナンバーカードでできること |
9:55 | 安全性・セキュリティ・紛失した場合の対応 |
11:48 | 機種変更(削除・再登録【実演】 |
14:05 | エンディング |
iPhoneのマイナンバーカードとは?実物カードとの比較
「iPhoneのマイナンバーカード」は、iPhoneのAppleウォレットに登録して利用できるデジタル版のマイナンバーカードです。Appleウォレットの身分証機能がアメリカ以外で使えるのは、日本が初めての事例です。
iPhoneのウォレットは、実物の財布のように、クレジットカードやポイントカード、交通系ICカード、チケットなどをまとめて入れておける「デジタルの財布」です。Walletに登録されたカードを使って、お店やオンラインで支払いをする決済サービスがApple Payです。
ウォレットにクレジットカードやマイナンバーカードを入れておけば、現物のカードを持ち歩かなくても、Face IDやTouch IDなどの生体認証で本人確認ができ、各種サービスを利用できます。
現在は、マイナポータルへのログイン、コンビニでの証明書取得などの行政サービスに対応しています。今後は、医療機関でのマイナ保険証としての利用や、店舗での本人確認・年齢確認などにも順次対応予定です。
>>iPhoneのマイナンバーカード(デジタル庁公式サイト)
>>iPhoneのマイナンバーカード(Apple公式サイト)
▼「実物マイナンバーカード」と「iPhoneのマイナンバーカード(Apple Wallet登録)」比較表
項目 | 実物マイナンバーカード | iPhoneのマイナンバーカード |
利用できるサービス | マイナポータルへのログイン、コンビニ交付サービス、本人確認(属性証明)、e-Tax、マイナ保険証、マイナ免許証など | マイナポータルへのログイン、コンビニ交付サービス ※他のサービスは今後対応予定 |
認証方法 | 暗証番号入力+実物カードのICチップ読取り | 生体認証(Face ID/Touch ID) |
利便性 | カードを持ち歩く必要があり、暗証番号の入力も必要な場面が多い | iPhoneだけで完結。カード携帯不要、認証もスムーズ |
紛失時 | カード再発行が必要(窓口手続き・手数料あり) | 実物カードの再発行は不要。iPhoneの電子証明書を再登録すれば再利用可 |
マイナンバーカードをiPhoneに追加する方法
用意するもの
- iPhone(iOS 18.5以降を搭載したiPhone XS以降)
- マイナポータルアプリ(最新版)
- 実物のマイナンバーカード
- 券面入力用暗証番号(数字4桁)
- 署名用パスワード(英数字6〜16文字)

暗証番号・パスワードは、マイナンバーカードを作成する際に自分で設定したものです。両方を忘れてしまった場合は、市区町村の窓口で再設定の手続きを行う必要があります。一方、どちらか一方の暗証番号またはパスワードが分かっていれば、スマホ(専用アプリ)+コンビニ端末を利用して、もう一方を再設定することが可能です。
参考:マイナンバーカードのパスワードをコンビニで初期化
★Face IDまたはTouch IDが必須!
iPhoneのマイナンバーカードを使うにはFace IDまたはTouch IDが有効になっている必要があります。
>>Face IDを設定する方法
>>Touch ID を設定する方法
Face IDに関しては、顔データがどこかに送られてしまうのではないかなどの不安から抵抗を示す人もいますが、Face IDで登録した顔データは、iPhone本体に暗号化して保存されているので、外部に漏れる心配はありません。また、Face IDの利用やデータ削除はユーザー自身でいつでも管理できます。
登録方法
ゆっくりやっても、5分あれば登録できます。
- 準備AppStoreでマイナポータルアプリを最新版にアップデート
- ステップ1マイナポータルアプリを開いて、「追加をはじめる」ボタンをタップ
画面の案内に従い次へ進む
- ステップ2顔の動きを撮影する
本人確認のため、顔の動きを撮影します。
『目を開閉して瞬きをしてください』など画面の指示に従い撮影します。
動作が難しい場合は別の動作に切り替えるのボタンをタップして別の動作に切り替える。
- ステップ3券面入力用暗証番号を入力する
- ステップ4署名用パスワードを入力する
- ステップ5マイナンバーカードを読み取る
マイナンバーカードの上にiPhone上部を重ね合わせ「読み取り開始」をタップ
読み取りが成功すると「完了✔」と表示され、こまでで本人確認が完了します。
- ステップ6iPhoneのマイナンバーカードの利用者証明用暗証番号を設定
実物のマイナンバーカードと同じでもOKです
- ステップ7iPhoneのマイナンバーカードの署名用パスワードを設定する
実物のマイナンバーカードと同じでもOKです
- ステップ8Appleウォレットに追加
- ステップ9Appleウォレットに追加完了
利用可能になるとApple Walletに通知が届きます。
※朝8時から19時30分に追加した場合はおおむね数分後、19時30分以降の場合は朝8時以降に、利用可能となります(平日・土日祝日とも)
参考:マイナンバーカードをiPhoneに追加する方法(デジタル庁公式)
※iPhoneにマイナンバーカードを登録後も、現物のマイナンバーカードも引き続き利用できます
マイナンバーカードの呼び出し方(Appleウォレット)
追加されたマイナンバーカードはApple ウォレットから呼び出して使うことができます。
▼Face ID搭載(顔認証)のiPhone
サイドボタンをダブルクリックして、マイナンバーカードを選択して、Face IDで認証します。
▼Touch ID搭載(指紋認証)のiPhone
ホームボタンをダブルクリックして、マイナンバーカードを選択して、Touch IDで認証します。
「ホームボタンのダブルクリックによるウォレットの呼び出し」は、画面がスリープまたはロック状態のときのみ有効です。ロック解除済みの状態でホームボタンをダブルクリックしても、ウォレットは表示されません。
ウォレットの呼び出し方については、Apple Payの使い方の記事でも解説していますので、参考にしてください
参考記事:Apple Payの始め方・使い方を徹底解説
iPhoneのマイナンバーカードでできること
▼現在利用できるサービス
- マイナポータルへのログインや署名
- マイナポータルでの各種オンライン申請
- コンビニでの証明書(住民票の写しや印鑑登録証明書など)の取得
コンビニでの証明書取得は「セブンイレブン、ファミリーマート、ローソン、ミニストップ」などが対応しています。
参考:利用できるコンビニ
▼今後対応予定のサービス
- 医療機関等での利用(マイナ保険証):2025年9月以降、順次利用開始予定
- 確定申告 ※2026年分(令和7年度)から対応予定
- 店舗や窓口での本人確認・年齢確認・住所確認 ※今後対応予定
など
iPhoneのマイナンバーカードは運転免許証の代わりにはなりません。
今まで「実物のマイナンバーカード+暗証番号」でやっていたことが、実物カードがなくても、「iPhoneの顔認証/指紋認証」だけでできるのは便利ですね!
.png)
久々にマイナポータルへログインしてみましたが、健康診断結果や薬の履歴などが簡単に閲覧できて便利でした!
安全性・セキュリティ
デジタル庁のウェブサイトには以下のような安全対策が記載されており、iPhoneのマイナンバーカードの安全性は非常に高いと考えられます。
- iPhoneのマイナンバーカードの情報は安全な領域に保存されるので、あなたのデータのプライバシーと安全はしっかり守られます。
- Appleウォレットに追加したマイナンバーカードは、iPhone のFace ID や Touch ID で安全に保護されます。他人が利用・悪用する心配はありません。
- iPhoneのマイナンバーカード内には、あなたの医療や銀行口座などのプライバシー性の高い情報は記録されません。
紛失した場合は?
- マイナンバーカードを追加したiPhoneを紛失した場合は、マイナンバー総合フリーダイヤル(0120-95-0178)より、24時間365日体制で一時利用停止を受け付けています。Appleが提供する「探す」アプリでも、一時利用停止ができます。
▼実物マイナンバーカードとの比較
実物マイナンバーカード | iPhoneのマイナンバーカード | |
認証方法 | 暗証番号入力+実物カードのICチップ読取り | 生体認証(Face ID/Touch ID) |
紛失時 | カード再発行が必要(窓口手続き・手数料あり) | 実物カードの再発行は不要。iPhoneの電子証明書を再登録すれば再利用可 |
iPhoneを紛失した場合でも、マイナンバーカード機能を利用する際には顔認証などの生体認証が必要となるため、他人に利用されることはありません。一方、現物のマイナンバーカードを紛失した場合は、暗証番号が他人に知られてしまうと不正利用されるリスクがあります。
また、実物のマイナンバーカードを紛失した場合は、再発行手続きが必要となりますが、マイナンバーカードを登録したiPhoneを紛失した場合、マイナンバーカード本体の再発行は不要です。
iPhoneが見つかった場合は、マイナポータルアプリで一時利用停止の解除手続きを行えば、引き続き利用できます。見つからない場合でも、スマホ用電子証明書の再発行(再登録)を行えば、再びiPhoneでマイナンバーカード機能を利用できます。
再発行手続きや手数料などを考えると、実物のマイナンバーカードを持ち歩くよりも、iPhoneにマイナンバーカード入れて利用する方が利便性が高いと感じます。
機種変更のやり方
iPhoneを機種変更し、同じApple IDでサインインすると、Apple Payに登録していたクレジットカード情報は新しい端末に自動的に反映されます。一方、iPhoneのマイナンバーカード機能(スマホ用電子証明書)は、機種変更時に自動転送されません。手動で再登録が必要です。
1.旧端末でマイナンバーカードを削除する
マイナポータルアプリの画面下部にある「メニュー」をタップし、「iPhoneのマイナンバーカード」をタップすると画面一番下に「削除」ボタンがあります。案内に従って削除します。
→ この時点で、旧端末のスマホ用電子証明書は失効済み。ただし、Wallet内のマイナンバーカードは手動で削除が必要です。
2.新しいiPhoneにマイナンバーカードを追加する
※旧端末と新端末の両方がネット接続している場合、2の操作のみで完了できます
マイナンバーカードは1台のスマホにしか登録できません。削除しなくても別の端末に登録すれば、すでに登録していたスマホからは自動で削除されます。実際に試したところ、自動で削除されました。ただ、削除作業自体は非常に簡単なので、スマホを売却・譲渡する際には安全のため削除しておくことをおすすめします。
参考:スマートフォンを手放す・機種変更するとき(デジタル庁公式サイト)
よくある質問
マイナポータルの「よくある質問」より抜粋しました。
- Qマイナンバーカードは何台のスマートフォンに追加できますか
- A
マイナンバーカードを追加できるスマートフォンは、1人につき1台です。新しいスマートフォンに追加すると、今までのスマートフォンでの利用はできなくなります。
- QiPhoneのマイナンバーカードを使うことで、どのようなメリットがありますか。
- A
iPhoneのマイナンバーカードの追加を行うと、実物のマイナンバーカードを使わずにマイナポータルへのログインやコンビニのマルチコピー機での住民票の写し等の取得、マイナポータル等での各種オンライン申請、対面及びオンラインでの本人確認を行うことができます。
- QiPhoneのマイナンバーカードを使うことで、どのようなメリットがありますか。
- A
iPhoneのマイナンバーカードの追加を行うと、実物のマイナンバーカードを使わずにマイナポータルへのログインやコンビニのマルチコピー機での住民票の写し等の取得、マイナポータル等での各種オンライン申請、対面及びオンラインでの本人確認を行うことができます。
- QiPhoneのマイナンバーカードを追加することで、実物のマイナンバーカードを利用する必要がなくなるのでしょうか。
- A
iPhoneのマイナンバーカードに対応したサービスを利用する場合は、実物のマイナンバーカードを使わずに電子署名や本人確認を行うことが可能です。
iPhoneのマイナンバーカードに対応していないサービスを利用する場合は、実物のマイナンバーカードを使った操作や手続きが必要となります。
- Q15歳未満でもiPhoneのマイナンバーカードを追加できますか。
- A
原則追加できません。
iPhoneのマイナンバーカードの追加は、実物のマイナンバーカードの利用者証明用電子証明書と署名用電子証明書が必要になりますが、原則として、15歳未満および成年被後見人の方は、実物のマイナンバーカードの署名用電子証明書の発行を行うことはできません。
コメント 初めてのコメントは承認後に表示されます