ソーシャルレンディング(融資型クラウドファンディング)は元本保証ではありませんが、定期預金や債券投資に比べると利回りが高く、欲張らなければ低リスクで運用することができます。
本記事では、ソーシャルレンディングのメリットやデメリット、リスクについて具体例とともに解説します。定期預金の金利では物足りないが、株などの投資は難しい、リスクが怖い…etcと感じている方などにおすすめです。
ソーシャルレンディングとは?
ソーシャルレンディングとは、『お金を借りたい企業』と『企業にお金を貸してそのリターンとして分配を得たい投資家』を結びつけるサービスです。
実際の運用例を見てみましょう!
下記は「Funds(ファンズ)」というソーシャルレンディングで私が投資している一例です。
運用期間10カ月・利回り2.2%のファンドに100万円投資しました。購入後は何もする必要がなく、分配金がもらえて、運用期間が終了すると元本が戻ってきます。これまでに5,123円の分配金を受け取りました。
1年ものの定期預金金利は高くても0.3%程度なのでそれに比べるとかなり高い利回りです。
※債権と似ていますが、債券のように途中売却はでできません
ソーシャルレンディングの「メリット」と「デメリット」は下記の通りです。
★メリット
- 少額から始められる(1円~)
- 銀行の定期預金に比べると利回りが高い(2~10%程度)
- 短期運用できる
- 元本価格が変動しない
- 仕組みがシンプル
★デメリット
- 途中で売却できない
- 投資先の企業が倒産するリスクがある(貸し倒れリスク)
- ソーシャルレンディング事業者が倒産するリスクがある(事業者リスク)
株式や債券は途中で売ることができるので、状況的に危ないと感じたら途中で売却して逃げることも可能です。一方、ソーシャルレンディングは途中売却できないので、途中で逃げることができません。
そのため、投資先企業の経営状況などをよく分析してから投資する必要があります。企業分析などはよくわからないという場合には、信頼のできるソーシャルレンディング事業者を選ぶのが重要です。事業者が融資先の審査をきちんとしていれば貸し倒れリスクは少なくなります。
また、事業者が倒産すると投資していた資金をすべて失うリスクもあるので、事業者選びは非常に重要です。
ソーシャルレンディングで9割の損失...事業者選びが重要
ソーシャルレンディング事業者の不祥事は過去にいくつかあり、返済遅延や元本毀損(元本が減ること)になったケースもあります。
2021年には業界最大手の「SBIソーシャルレンディング」が融資先の不祥事により事業から撤退しました。この件では親会社のSBIホールディングスが約150億円の特別損失を計上し、投資家へ出資金を返還することになりました。
この件で金融庁がSBIソーシャルレンディングに対して業務停止命令を下し、金融庁からはソーシャルレンディング投資に関しての注意喚起もだされています。
参考:ソーシャルレンディングへの投資にあたってご注意ください(金融庁ホームページ)
世間で『ソーシャルレンディングは怪しい・危険』などと言われるのはこの影響が大きいのではないかと思います。
もう一つ例を挙げると、
2020年に「クラウドリース(Crowd Lease)」という事業者が破産手続きをしました。
参考:営業者Crowd Leaseに対する破産手続き開始決定のお知らせ
この件は長らく進展がなかったのですが、最近になって破産処理の目途がたち、最終的には10%の償還(元本の9割毀損)になる予定だそうです。10%ということは100万円投資していたら10万しか戻ってこないということです(90万円の損失)。
最近はこのような事業者は淘汰され、ソーシャルレンディングの不祥事は減っていますが、ソーシャルレンディングは投資初心者がよくわからない状態で手をだすものではありません。やる場合には、信頼のおけるサービス事業者を利用して少額資金ではじめるのがよいでしょう。詳しくは後述します。
「ポイ活」につられてやるのは注意!
SNS上にはポイ活案件としてリスクの説明なしにソーシャルレンディング案件が紹介されています。例えば、ポイントサイト経由で『口座開設+10万円以上の投資をすると1万ポイントもらえる!』など、、、といったものです。
「爆益!急げ~...」などと煽るインフルエンサーもいるので要注意です。ポイントが多くもらえる案件は紹介した人にもポイントが多くもらえる仕組みなのです。
口座開設だけならお金を失うリスクはありませんが、投資をした場合、投資した資金が戻って来なくなる可能性もあります。リスクを知らずにポイ活案件として取り組むのは危険です。
中には、投資家に全く人気がなくて募集が集まらず、ポイントサイトで募集する、、、といったものもあり、投資の知識や経験のないポイ活民がポイントにつられて高リスク案件に投資する、、、といったケースもあります。
ノーリスクでポイ活をやりたい人はこのような案件には手を出さないことです。リスクをとってもよい場合には、事業者や融資先についてよく調べてから取り組みましょう。
分散投資としてソーシャルレンディングはアリ
私は複数のソーシャルレンディングのサービス業者を利用していますが、自分なりの基準を決めて運用しています。具体的には『ソーシャルレンディングに投資するのは〇〇万円まで』、そのうち『8割は利回りよりも信用重視、残り2割はややリスクがあっても利回り重視』、『運用期間は2年以内』、、といった具合です。このあたりは自分の状況に合わせて決めればよいと思います。
投資リスクを減らすには分散投資が基本なので、ソーシャルレンディング投資をするとしても資産の一部にしておきましょう。ちなみに私は自己資産の数%以内にしています。
リスクを理解した上でソーシャルレンディングをやるのであれば、実績があり信頼のおける事業者を選ぶことです。そして、最初は少額投資して、仕組みを理解することです。
私が実際に利用している事業者で信頼性・安全性が高いと思うのは「Funds(ファンズ)」です。利回りは平均約2%と他の事業者に比べると低いですが、これまで元本割れ0件で償還率100%の実績です。
Fundsについて下記記事で詳しく解説しています。
参考記事:Funds口座開設~運用実績、メリット・デメリットを徹底解説!
もう一つ私が利用している事業者をあげると「オルタナバンク」です。こちらはややリスクを承知で利回りのよい商品に投資しています。オルタナバンクについてはまたの機会に紹介したいと思います。
まとめ
ソーシャルレンディング投資をする場合は下記のことに気をつけましょう。
- 信用できる事業者を選ぶ
- 余剰資金でやる
- 分散投資が基本(1つに集中投資しない)
- 利回りが高い商品(高リスク)に飛びつかない。慎重に!
- 初心者は少額から始める
絶対に元本保証でノーリスクがよい場合には銀行預金にしましょう
参考記事:定期預金金利の高い銀行3選
元本保証ではないものの、途中売却ができて低リスクで運用したい場合にはソフトバンクグループの社債もよいかもしれません。
参考記事:ソフトバンクグループ無担保社債は買い?リスクは?
ソーシャルレンディングは元本保証ではありません。最終的には自己判断でお願いします。
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